「ムスリム」という言葉は「神に帰依するもの」という意味でイスラム教信者を指します。
2016年の時点で、世界のムスリム人口は約16憶人と言われており、世界の総人口約70億人の4分の1弱にあたります。
さらにその数はハイペースの増改傾向にあり、2000年には13憶人でしたが、2008年には16憶人を突破しました。2025年には約20憶人に達し、2030年にはキリスト教徒の総数を超えて、世界最大の宗教(信者数)になると予測されています。
イスラム教徒というと中東というイメージがありますが、実はアジアに最も多く住んでいます。アジア全体のムスリム人口は約11憶人で、世界のムスリム人口の実に7割を占めています。
国別にムスリム人口を見ると、インドネシアが最大で2億人、次いで、パキスタンの1.8億人、インドの1.6億人、バングラディッシュの1.5憶人と続きます。
出生率や経済成長性の高いASEAN(東南アジア)の国々にもムスリムは多く、近年特にインドネシアやマレーシアからのムスリム訪日客が大幅に増加傾向にあります。
日本在住のムスリム人口は20万にと決して多くはありませんが、訪日ムスリム観光客は2004年の15万人から2016年には70万人まで増加しました。さらに、2018年には100万人を超え、2020年以降には140万人に達すると想定されています。
特に日本政府によるビザ要件の緩和や政府によるプロモーションの強化により、インドネシアおよびマレーシアからの訪日観光客の増加が顕著です。
また観光庁が作成した「ムスリムおもてなし」によると、彼らが訪日旅行で困ったこととして、以下が上位に上がっています。
「食べ物やその成分の表示が不十分なことがおおいため困惑した」
「日本語のメニューしかないことが多く、食べられる物かどうかの判断(ハラールか否か)が付きません」等
※数字および統計は日本政府観光局(JNTO)のものを採用
ハラールはアラビア語の言葉で、ハラール=ハラル=Halalより由来されており、直訳では「許可されたもの」です。ムスリムが日常生活において、口にするもの、身に着けるもは、イスラム法で許可されているものがハラールとなります。食品の場合には、イスラム教徒にとっての禁忌品である豚等が含まれていないのはもちろんのこと、禁忌品を調理したライン・器具を使用してはならない等の厳しい基準があります。
そのものがハラールかどうかについて、ハラール監査員(ハラール専門家)が検査して認証を発行します。検査合格品は「ハラール」製品と呼ばれ、ムスリムの消費者が安心して使用できるのです。
ハラールはイスラム教徒にとって大変重要な基準であり、既に自分が罪を犯しておらず、安心・安全を認識した上で使用できるようになるのです。何よりも信仰を大切にしているイスラム教徒のため、ハラールと非ハラールとをはっきりと区別することは非常に重要なのです。
非イスラム教国の日本では、認定基準を完全にクリアしハラール認定を取得することは難易度が高く、訪日するイスラムの方々への安全・安心は環境を用意するための「ムスリムフレンドリー」が必要です。弊社が認定を受けている「日本アジアハラール協会(NAHA)」は、「ムスリムフレンドリー基準」を策定した国内唯一の組織です。(毎年更新で工場に立ち入り検査する等、信頼性の高い組織)